アイドルを極める者もいれば、演技や司会に果敢に挑戦する者など、努力の仕方は十人十色。
人生論や努力にスポットを当て、膨大な資料から本人たちの言葉を選り抜いた本となっています。
厳しい競争の世界を勝ち抜いてきた彼らの言葉から、人生を変えるヒントが得られるはずです。
『ジャニーズは努力が9割 (新潮新書)』
著者:霜田 明寛
内容
ジャニーズは努力が9割
ジャニーズとしてデビューしているすべての人にいえるのが、総じて「並々ならぬ努力」をしているということです。
雑誌のインタビューやラジオ、テレビでの発言などが記載されており、彼らがどれだけ努力をしてきているのかがわかります。
ジャニーズとしてデビューする人たちは、
「もともと特別な星のもとに生まれた特別な人たち」だと思われるかもしれません。
しかし彼らは、最初から才能あふれるアイドルではありませんでした。
目の前の仕事に全力で取り組み、絶え間ない努力をすることで、彼らは自らの才能を開花させていったのです。
努力は人を変えます。
私たちだって、努力により「才能あふれる人」になれるのです。
一言で「ジャニーズ」と言っても、本当に色々な人がいます。
この本では、「努力の16人」として、中居正広さんや木村拓哉さんをはじめ、色々なグループのメンバーを集め論じています。
「この人は自分と似ているな」「この考え方すごくわかるな」そう思える人が1人は見つけられるでしょう。
この本では、ジャニーズのタレントを大きく分けて7つのタイプに分けています。
- 与えられたことを全力でやり続けるタイプ
- 与えられたことをやりながら、自分のやりたいことを続けるタイプ
- ”与えられたこと”を頑張っていたら、”やりたいことが見つかった”タイプ
- ”やりたいこと”ができなくなったが、間接的に夢が叶ったタイプ
- ”与えられたこと”に懐疑的な視点を持つことが自分の希少性を高めるタイプ
- ”与えられたこと”がないときこそ日常を疎かにしないタイプ
- 未来図を描いて、今の行動を決めるタイプ
この記事では個人的に刺さった3つのタイプに絞ってご紹介しますが、面白そうだと思った方はぜひ手に取ってみてください。
今の会社で頑張るべきか、転職して違う仕事をするべきかと、悩んでいる方にも読んでいただきたい内容です。
タイプ別努力の人
1.与えられたことを全力でやり続けるタイプ
ここでは堂本光一さん、滝沢秀明さんが挙げられています。
このタイプの特徴として、目の前の仕事をとにかく全力でやりきることです。
もちろん与えられた仕事をただこなすのではなく、与えられた課題をどう乗り越えるのか、問題にどう対処するのかを全て自分で考え日々の生活も自制していきます。
与えられた舞台で、今このパフォーマンスにすべてをかける。
光一さんは、とにかく今の全力を出し切り、目の前の事にベストを尽くすことを強調しています。
彼のストイックさ、心の持ちよう、考え方は「与えられた仕事を全力でこなす」ことの大切さを教えててくれます。
2.与えられたことをやりながら、自分のやりたいことを続けるタイプ
岡田准一さんや堂本剛さん、大野智さんが挙げられています。
多才な人、彼ら独自の世界を持っている人、というイメージがある方たちです。
彼らは与えられた「アイドル」という仕事で大きな結果を出しつつ、自分のやりたい事にも全力で取り組んだ方たちです。
大野さんは映画の撮影やライブツアーで忙しくても、絵を描いたりフィギュアを作るということはずっと続けていたそうです。
そして嵐として与えられた仕事で結果を出し、自ら企画を提案したアート展は全国で開催されました。
与えられた仕事で結果を出すことで、本当にやりたいことができるようになる。
「事務より営業に行きたいのに」「あっちの部署の方がやりたい仕事ができるのに」そう思いながら仕事をしている方もいるかもしれません。
たとえそうだったとしても、与えられた仕事を精一杯こなし、結果を出すことが重要です。
とにかくストイックに努力をして、今の仕事で成果を出せば出すほど、人は自由になれるのです。
3.”与えられたこと”を頑張っていたら、”やりたいことが見つかった”タイプ
そもそもやりたいことがない、という方はこちらの方たちが刺さるのではないでしょうか。
生田斗真さんや風間俊介さんなど、「グループを組んでCDデビュー」というジャニーズアイドルの王道ではない道を進んでいる方たちもいます。
ジャニーズと言えば、歌やダンス。
しかしそれがしっくりこなかったという方もいます。
歌やダンス以外にも、舞台やドラマ、バラエティ番組など様々な仕事を与えられることで、そこから本当にやりたいことが見つかったという方たちです。
やりたいことがなくても、最初に与えられた仕事がフィットしなくても、悲観しないでください。
仕事を真面目にやっていくことで、他の仕事も色々と任されるようになります。
そうした中で、本当に自分に合った仕事に巡り合える可能性があります。
ジャニ―喜多川論 育てる力
すごいと思ったのが、ジャニ―喜多川さんの育てる力です。
多くのスターを生み出し、今なおたくさんのファンを魅了し続けているジャニーズ。
そこには優秀な人材を育てるヒントがたくさんあります。
- 「YOU出ちゃいなよ」で成功イメージを具体的に見せる
- 明確でわかりやすい競争システム
- 仕事はつらいものではなく、楽しいものだと教える
人材を育てる仕事をしている方は、ぜひこの項目を読んでみてください。
「YOU出ちゃいなよ」で成功イメージを具体的に見せる
ジャニ―喜多川さんといえば「YOU出ちゃいなよ」の一言で、入所したばかりの子をコンサートのステージに上げたり、先輩のバックで躍らせたりということがあります。
何千何万というペンライトの輝きと、お客さんの歓声は、「もう一度ここに立ちたい」と強く思わせる力を持っています。
人は自分が目指すべき場所を明確になると、そこに向かってなみなみならない努力をすることができるようになります。
幼いころに成功イメージを具体的に見せることで、ジャニ―喜多川さんは数々のスターを生み出していきました。
明確でわかりやすい競争システム
ジャニーズJr.として活動している間は、ダンスの立ち位置などで差が明確に出ます。
最初は一番後ろの一番端っこから始まり、より真ん中の立ち位置、より前の立ち位置を目指し、それぞれ技に磨きをかけていきます。
マイクを持つ後輩の後ろで先輩が踊るということももちろんあります。
昨日までステージに立たせてもらえていたのに今日は立たせてもらえなかった、そんなことが何度もあります。
そしてその悔しさをバネに、さらに努力することができた子だけが前に行くことができる。いくら入所歴が長くても、何かが足りなければ前には行けない。そういうシビアな世界です。
仕事はつらいものではなく、楽しいものだと教える
明確な競争システムがあり、とてもシビアな世界ですが、ジャニ―喜多川さんはジュニアの子たちに仕事は楽しいものだと思ってもらえるようにしていたそうです。
アイドルはコンサートで歌って踊ったりするだけでなく、舞台で演技をしたり、雑誌の撮影といった色々な仕事をやりますよね。
その様々な経験をジュニアの子たちにさせてあげることで、仕事は楽しいものなんだと教えていました。
つらいことも大変なこともあるけど、楽しいからジュニアを続けられる。という子も多くいるのではないでしょうか。
努力なくして成功はない
厳しい芸能界で活動していくには、相当な努力が必要であることは想像できると思います。
努力無くしてデビューはない。
そしてもちろんデビューはゴールではありません。
自分だけの道を見つけ、そこを実直に歩んでいく。
そしてその基盤をつくっているのが、プロデューサーのジャニ―喜多川さんの教育理論。
彼らの言葉を見ていると、私ももっと頑張ろうという気持ちになってきます。
最後に
ジャニーズに興味がある方はもちろん、今の仕事や今後の人生について迷いがある方にも読んでいただきたいです。
このまま今の会社にいていいのか、やりたいことのために退職するべきかなど、さまざまな迷い、悩みがあると思います。
努力に努力を重ね、厳しい競争を勝ち抜いた彼らの言葉は、私たちの背中を押してくれます。
とにかく努力をする。
目の前の仕事に全力で取り組めば、新しい道も見えてくるし、自分自身も大きく成長することができる。
果たして自分は、彼らの様に目の前の仕事に全力を出せているだろうか?そう自問するきっかけにもなります。
一度何かを極めた人は、他の業界や業種でも同じように極めることができるようになります。
コメント